OBSのエンコーダの選び方(x264・NVENC・Quick Sync・AMF・Apple VT)

分類:重い・画質の困りごと 公開:2026/11/03 更新:2026/11/03

OBSのエンコーダは、映像を配信や録画に向けて圧縮するしくみです。CPUで圧縮する「x264」と、GPUの中の専用の回路で圧縮するハードウェアエンコーダ(NVENC・AMD・QSV・Apple)があります。多くの場合は、パソコンのGPUのハードウェアエンコーダを選ぶと、CPUの負担を抑えられます。

このページで分かること

  • 一覧に出る名前の意味と、自分のパソコンでの選び方
  • 基本と詳細の出力モードで、エンコーダとプリセットを決める場所
  • H.264・HEVC・AV1の違いと、YouTube・Twitchで使えるもの
  • 「エンコードが高負荷です!」と出たときに、エンコーダをどう替えるか

カクつきの原因の見分け方はカクつく・フレームドロップ・重いときで扱います。

画面の名前は、OBS Studio 30以降の日本語表示に合わせています。版や部品によって、一覧に出る項目が変わります。YouTube・Twitch・NVIDIAの情報は、2026年11月2日に各社の公式の情報で確かめたものです。

まず確かめること(30秒でできる確認)

  1. 今のエンコーダを見る。設定 → 出力 の「映像エンコーダ」に出ています。出力モードが「詳細」のときは、「配信」と「録画」のタブにそれぞれあります。
  2. 一覧を開いてみる。OBSの一覧には、そのパソコンで使えるエンコーダだけが出ます。「ハードウェア (NVENC, H.264)」などがあれば、そのGPUのエンコーダが使えます。
  3. パソコンのGPUを知る。Windowsなら、タスクマネージャーの「パフォーマンス」でGPUの名前が分かります。
Macか、NVIDIAのGPUがあるか、AMDのGPUがあるか、Intelの内蔵GPUが使えるかの順に、Apple、NVENC、AMD、QSV、x264のどれを選ぶかを分けた流れ図
選ぶ順番。かっこの中の数字は、このページの「エンコーダの種類」の番号です。

エンコーダの種類

一覧の名前は、出力モードによって少し違います。

種類基本の出力モード詳細の出力モード使う部品
x264ソフトウェア (x264)x264CPU
NVENCハードウェア (NVENC, H.264)NVIDIA NVENC H.264NVIDIAのGPU
AMD(AMF)ハードウェア (AMD, H.264)AMD HW H.264 (AVC)AMDのGPU
QSVハードウェア (QSV, H.264)QuickSync H.264Intelの内蔵GPUなど
Apple VTハードウェア (Apple, H.264)Apple VT H264 ハードウェアエンコーダMac

HEVCやAV1のエンコーダも、同じように名前に「HEVC」「AV1」と入っています。OBSの公式の案内では、ハードウェアエンコーダはCPUの仕事をGPUの専用の部品に任せるため、性能の面ですすめられています。ただし古い世代のものは、同じビットレートだとx264(veryfast)より画質が落ちるとも書かれています。

1. ソフトウェア (x264)

CPUで圧縮します。ゲームをしながら配信すると重くなりやすいです。基本の出力モードの「エンコーダプリセット」は、ultrafastからfastまでの5つで、初めは「veryfast (既定値) (中程度のCPU使用率、標準品質)」です。下に行くほど高品質で重くなります。詳細の出力モードでは「CPU使用プリセット (上に行くほど = CPU使用率低い)」という名前で、さらに重いものも選べます。Twitchのヘルプでは、veryfastから試し、fasterより重いプリセットには6コア以上のCPUが要るとされています。

2. ハードウェア (NVENC)

NVIDIAのGPUの、圧縮の専用の部品を使います。OBSの公式の案内では、WindowsとLinuxで使えます。対応するGPUは、NVIDIAの対応表(NVENC support matrix)で確かめられます。プリセットは「P1: Fastest (最低品質)」から「P7: Slowest (最高品質)」までで、数字が大きいほど高品質で重くなります。Twitchのヘルプでは、プリセットは「Quality」、Bフレームは2がすすめられています。

3. ハードウェア (AMD)

AMDのGPUの圧縮の部品を、AMFというしくみで使います。WindowsとLinuxで使えます。基本の出力モードのプリセットは「Speed」「Balanced」「Quality」(AV1は「High Quality」も)で、初めは「Balanced」です。

4. ハードウェア (QSV)

Intelの内蔵GPUなどにあるQuick Sync Videoを使います。WindowsとLinuxで使えます。OBSの公式の案内には、NVIDIAやAMDのGPUがあるなら、ふつうはQSVではなくそちらのエンコーダを使う、と書かれています。基本の出力モードのプリセットは「speed」「balanced」「quality」、詳細の出力モードでは「ターゲットの使用法」という名前で「TU1: Slowest (最高品質)」から「TU7: Fastest (最高速度)」までです。

5. ハードウェア (Apple)

MacのApple VideoToolboxを使います。基本の出力モードでは、プリセットの欄は出ません。

この案内は書かれた時期が古いので、一覧に出るかどうかで判断してください。

選び方の目安

H.264・HEVC・AV1と配信先

「H.264」「HEVC」「AV1」は圧縮の形式(コーデック)です。HEVCとAV1は新しい形式で、YouTubeのヘルプでも、推奨ビットレートがH.264より低くなっています。

配信先H.264HEVCAV1
YouTube(RTMP/RTMPS)使える使える使える
Twitch(OBSのふつうの配信)使える一覧に出ない一覧に出ない

録画では配信先に関係なくHEVCやAV1も選べますが、編集ソフトが開けるかは先に確かめてください。録画フォーマットとの組み合わせはMKVをMP4にするページの表にあります。

エンコーダを設定する場所

設定の出力で、基本の出力モードなら配信の欄の映像エンコーダとエンコーダプリセット、詳細の出力モードなら配信タブと録画タブの映像エンコーダとエンコーダ設定で決めることを示した図
出力モードごとの設定の場所。

基本のとき:設定 → 出力 の「配信」の欄で、「映像エンコーダ」と「エンコーダプリセット」を選びます。「録画品質」を「配信と同じ」以外にすると、録画の欄にも「映像エンコーダ」が出ます。そのときは配信と録画で2回圧縮するので、重くなります。

詳細のとき:「配信」のタブで「映像エンコーダ」を選ぶと、下の「エンコーダ設定」が選んだものに合わせて変わります。「レート制御」は、YouTubeもTwitchもCBRをすすめています。「キーフレーム間隔」は両方とも2秒がすすめられています。ビットレートの決め方はビットレートの目安を見てください。「録画」のタブの「映像エンコーダ」は初めは「(配信エンコーダを使用)」で、録画だけ別にしたいときにここで選びます。

「エンコードが高負荷です!」と出たとき

圧縮が間に合っていないときに出る警告です。エンコーダの面では、次の順に替えてみます。

  1. x264なら、ハードウェアエンコーダに替える。
  2. プリセットを1段ずつ軽くする。x264ならveryfastより軽いもの、NVENCならPの数字を小さく、AMDとQSVならspeedのほうへ寄せます。
  3. 録画を別のエンコーダで重ねていないかを見る。

ハードウェアでも出るときは、GPUがいっぱいになっていることがあります。統計の見方や解像度・FPSの下げ方はカクつくときのページに、プリセットと画質の関係は画質が悪いときのページにまとめています。

うまくいかないとき

よくある質問

NVENCとx264は、どちらが画質がいいですか。

NVENCの世代によって変わります。Twitchのヘルプでは、Turing世代(RTX 20シリーズなど)のNVENCはx264のmediumと同じくらい、それより古い世代はveryfastやfasterと同じくらいとされています。

一覧にNVENCが出てきません。

NVIDIAのGPUがないか、ドライバーが古いことが考えられます。最新のドライバーを入れてから、OBSを開き直してください。

配信と録画で、別々のエンコーダにできますか。

できます。基本の出力モードでは「録画品質」を「配信と同じ」以外に、詳細の出力モードでは録画のタブの「映像エンコーダ」を「(配信エンコーダを使用)」以外にします。そのぶんパソコンの負担は増えます。