「様」を1件ずつ確認して打つのをやめた日
お中元のお礼状を送る宛名リストに、様や御中を付ける作業。一括置換で失敗して、結局1件ずつ確認するはめになった年の話と、そこから作ったツールの話を書く。
「株式会社さくら商事 様」という宛名
お礼状を送る宛名リストは、個人と会社が混ざっていた。個人には「様」、会社や団体には「御中」を付けるのがマナーだと知ってはいたが、100件を超えるリストを1件ずつ見て振り分ける時間はなかった。
近道をしようとして、Excelの置換機能で名前の列の末尾に一括で「様」を追加した。数秒で終わって、満足して印刷した。
刷り上がった紙を見直していて、青ざめた。「株式会社さくら商事 様」。会社宛てのはがきに、個人向けの敬称が付いていた。
直しても、また別のところで崩れた
翌年、会社名と個人名を目で見分けてから敬称を付け分けることにした。それでも、うまくいかない場面がいくつも出てきた。
- 「様」がすでに付いている行に、また様を付けてしまう。「様様」になって気づく。
- 「〇〇銀行」を、会社ではなく個人と誤認する。「銀行」という語尾を見落として様を付けてしまった。
- 「〇〇部」「〇〇会」のような、会社か屋号か迷う名前。機械的なルールだけでは判断できない。
1件ずつ確認する作業は、結局なくならなかった。むしろ「一括で処理したはず」という思い込みのぶん、確認が甘くなって見落としが増えた年もあった。
気づいたのは「先に外してから、付け直せばいい」ことだった
ある年、まったく同じ失敗を3年連続で繰り返していることに気づいた。
原因は、すでに敬称が付いているかどうかを確認せずに、追加だけをしていたことだった。先に「様」「御中」「殿」などの敬称をいったんすべて外し、そのうえで会社か個人かを判定して、正しい敬称を付け直せば、様様にはならない。
そして会社かどうかの判定は、「株式会社」「銀行」「学校」のような、会社や団体を表す言葉で終わっているかどうかを機械的に見ればいい。人が1件ずつ見なくても、辞書に沿って判定できる。
ここで書いたツールを、実際に試す
名前に様・御中を付けるツールを開く実際にどう動くか
名前や会社名のリストを貼り付けて「自動」を選ぶと、末尾の言葉で会社・団体か個人かを判定し、敬称を付け分ける。
| 貼り付けた名前 | 付く敬称 |
|---|---|
| 山田 太郎 | 山田 太郎 様 |
| 株式会社さくら商事 | 株式会社さくら商事 御中 |
| みずほ銀行 | みずほ銀行 御中 |
| 佐藤 花子 様(すでに付いている) | そのまま(様様にしない) |
判断が難しい語尾は、確認の印を付ける
「〇〇部」「〇〇会」のように、会社の一部門なのか個人の屋号なのか、言葉だけでは判断できない語尾がある。このツールは、そうした語尾には御中を付けたうえで、確認が必要な行として一覧の下に表示するようにした。全部を機械任せにせず、迷う行だけ人の目に戻す作りにしている。
「みずほ銀行」に様を付けてしまうバグは、実際に作っている途中で自分で踏んだ。「銀行」という語を判定辞書に足して直した。逆に、返信用はがきの「行」「宛」は、住所の後ろの空白のあとに続く場合だけを敬称として外すようにしている。「〇〇銀行」の「行」を誤って取り除かないようにするためだ。
作ってみて変わったこと
去年のお礼状は、リストを貼ってからものの数分で終わった。それより大きいのは、印刷してから「様様」や会社への様付けに気づいて青ざめる、という毎年の緊張がなくなったことだ。
もう1つ変わったのは、宛名の作業を後回しにしなくなったことだ。以前は「様と御中の振り分けが面倒」という理由で、お礼状の準備そのものを先延ばしにしていた。締切の前日になって、結局1件ずつ確認する羽目になる、というのが毎年のパターンだった。今は宛名の振り分けが数分で終わるので、他の準備を先にやってから、最後にまとめて片付けられる。
よくある質問
会社名と個人名が混ざっていても大丈夫ですか?
大丈夫です。「自動」を選ぶと、会社や団体を表す言葉で終わる名前には御中、それ以外には様を付け分けます。
すでに敬称が付いている行はどうなりますか?
いったん敬称を外してから正しい敬称を付け直すので、「様様」にはなりません。すでに正しい敬称が付いていれば、結果も同じ敬称になります。
判定が間違っていた場合はどうすればいいですか?
「〇〇部」「〇〇会」のように判断が難しい語尾の行は、確認が必要な行として表示されます。そこだけ自分の目で見て、必要なら宛名の列を直してから使ってください。
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