「株式会社」の表記ゆれを手で直すのをやめた日
取引先の名簿を五十音順に並べ替えたら、思っていた順番にならなかった。原因が「株式会社」の書き方の違いだと気づくまでの話と、そこから作ったツールの話を書く。
「株式会社さくら」と「さくら株式会社」
取引先が増えるたびに、名簿に会社名を追記していた。ある日、請求書を出す順番のために名簿を五十音順に並べ替えると、見覚えのある会社が離れた場所に出てきた。
原因はすぐに分かった。同じ会社でも、名刺交換した時期によって「株式会社さくら商事」「(株)さくら商事」「さくら商事株式会社」と、書き方がばらばらだった。五十音順の並べ替えは、文字どおりの並びで処理される。頭に「株式会社」が付いているかどうかで、まったく違う場所に飛んでしまう。
置換で統一しようとして、社名の一部まで消した
「株式会社」を検索して空文字に置換すれば直ると思い、実行した。ほとんどの行はうまくいったが、一部の会社名がおかしくなっていた。
- 「株式会社」が社名の中に含まれる会社——たとえば「日本株式会社サービス」のような名前の一部として入っている場合、意図しない場所まで削れてしまう。
- (株)・㈱・(有)・㈲——略記のパターンが何種類もあり、1回の置換ではすべて拾いきれない。
- 先頭か末尾かで意味が変わる——「株式会社さくら」と「さくら株式会社」は、同じ言葉が付く位置が違うだけで、単純な文字列置換では両方を安全に扱えない。
結局、置換したあとの一覧を1件ずつ見直して、おかしくなった行を手で直す作業が残った。
気づいたのは「先頭と末尾だけを見ればいい」ことだった
ある日、法人格を表す言葉は、ほぼ必ず社名の先頭か末尾にしか付かないことに気づいた。社名の途中に紛れ込むことは、実際にはほとんどない。
だから、置換ではなく「先頭または末尾が、株式会社・(株)・㈱などのパターンと一致するときだけ取り除く」という判定にすれば、社名の中身を壊さずに済む。これなら、どの略記パターンが使われていても、同じルールで処理できる。
ここで書いたツールを、実際に試す
会社名の株式会社を外すツールを開く実際にどう動くか
会社名のリストを貼り付けると、先頭・末尾の法人格だけを判定して外したり、表記をそろえたりする。
| 貼り付けた会社名 | 法人格を外す | 表記をそろえる(株式会社に統一) |
|---|---|---|
| 株式会社さくら商事 | さくら商事 | 株式会社さくら商事 |
| (株)さくら商事 | さくら商事 | 株式会社さくら商事 |
| さくら商事株式会社 | さくら商事 | さくら商事株式会社 |
法人格を外した列は、並べ替え専用の列として使う。表示は元の社名のまま、並べ替えだけを正しい五十音順にできる。
末尾か先頭か、両方に対応する理由
「株式会社」が付く位置は会社によって違う。先頭だけ、末尾だけを対象にすると、片方のパターンの会社が処理から漏れる。両方を判定対象にしたうえで、社名の途中にある場合は変更しないようにしている。
作ってみて変わったこと
今は名簿を並べ替える前に、法人格を外した列を作ってから並べ替えるようにしている。見た目の表記はそのまま残るので、請求書や宛名には元の書き方をそのまま使える。
もう1つ気づいたのは、法人格の表記ゆれは、名簿を1人で作っているうちは起きにくいということだ。複数の人が別々のタイミングで会社名を入力し、それが積み重なって初めて表面化する問題だった。だからこそ、気づいたときにはすでに数百件分の名簿に散らばっていて、1件ずつ直す気力が失われる。今は新しく会社名を追加するたびに、この処理を通してから登録するようにしている。
よくある質問
社名の途中に「株式会社」がある場合はどうなりますか?
先頭・末尾にある場合だけを対象にしているので、社名の途中にある「株式会社」はそのまま残ります。
有限会社や合同会社にも対応していますか?
対応しています。株式会社・有限会社・合同会社と、その略記((株)・㈱・(有)・㈲)を判定できます。
外した法人格は元に戻せますか?
「表記をそろえる」を選べば、外すのではなく指定した法人格の書き方に統一できます。元の入力は変更されないので、必要な処理を選び直して使えます。
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