「読み方は合っているのに、記法がまるで違う」と言われた日
kamitoolのふりがなをふるページに届いた質問は、読みの判定ミスではなかった。すでに決まっている読みを、投稿先に合わせた別の書き方に変換したい、という話だった。
「ふりがなが違う」ではなく「記法が違う」
質問をくれたのは、小説投稿サイトに作品を出している人だった。人物名に自分で決めた読みを付けているのに、kamitoolのふりがなページに貼ると、辞書にある一般的な読みが優先されて上書きされてしまう、という内容だった。
調べて分かったのは、そもそも欲しい機能が違っていたということだった。kamitoolのふりがなページは、読みが分からない漢字に、こちらで読みを判定して振るためのものだ。一方でその人がすでに持っていたのは、自分で決めた読みを、投稿先ごとに違う書き方へ変換するという作業だった。なろうの記法とカクヨムで使われるHTMLのルビタグは、そもそも書式がまったく別物で、判定うんぬんの話ではなかった。
変換だけのつもりが、隣の作業まで見えてきた
記法の変換だけを作るつもりで原稿を見せてもらうと、もう2つ、同じ原稿の中で毎回直している箇所があると分かった。
- 三点リーダー「…」の個数:変換ソフトによっては1つで確定してしまい、本来2つ続けて使う慣習と食い違う。原稿の中で1個と2個が混在していた。
- ダッシュ「―」の個数:三点リーダーと同じ理由で、1個と2個が混ざる。見た目が似ているため、印刷して見比べるまで気づきにくい。
- 行頭の字下げ抜け:コピー&ペーストを重ねるうちに、全角スペースが抜けている行が出てくる。ただし会話文の「」で始まる行は字下げをしない慣習があるため、機械的に全行へ足すと今度はそちらが崩れる。
記法の変換、リーダーやダッシュの個数、字下げ——別々の作業に見えて、どれも「原稿を投稿する前の最終チェック」という同じ場面で発生していた。3つとも直す仕組みにした。
読みが分からない漢字にふりがなを振りたいだけなら
kamitoolのふりがなページを開く実際の使い方
- checker.htmlをダブルクリックして開く。ブラウザがあれば動く。インストールも会員登録もいらない。
- 変換したい方向を選ぶ。なろう記法からHTMLルビへ、またはその逆。
- 補正したい項目にチェックを入れる。三点リーダー、ダッシュ、字下げのうち、直したいものだけを選べる。
- 原稿を貼って「整形する」を押す。結果はその場でコピーするか、テキストファイルとして保存できる。
会話文の字下げを崩さない理由
「」で始まる行に全角スペースを足すと、慣習と違う見た目になってしまう人が多い。そのため字下げの補正は、地の文の行頭にだけ働く作りにしている。逆にこの判定のせいで、記号から書き始まる特殊な行が正しく扱われないこともあるため、変換後は必ず自分の目で確認する前提で使っている。
機械のルールでは拾いきれないもの
三点リーダーの個数もダッシュの個数も、機械的なルールで奇数・偶数を数えているだけで、文脈までは読んでいない。まれに、意図的に1個だけ使っている箇所まで直してしまうことがある。原稿の全体を任せきる仕組みとしてではなく、最後の一括チェックとして使い、直った箇所は自分で見返すという前提で作った。
よくある質問
なろう記法とカクヨムのルビ表記、両方に対応していますか?
なろう記法とHTMLのルビタグ、双方向の変換に対応しています。どちらの投稿先に合わせるかを選んでから変換してください。
すでにふりがなが振られていない文章にも使えますか?
この仕組みは記法の変換と表記の補正が目的です。読みが分からない漢字に新しくふりがなを振りたい場合は、kamitoolのふりがなをふるページのほうが向いています。
三点リーダーやダッシュの補正だけ使うことはできますか?
できます。変換と補正は別々にチェックを入れられるので、記法の変換をせず補正だけ行うことも可能です。
貼った原稿はどこかに送信されますか?
送信されません。処理はすべてこの端末の中だけで行われ、外部と通信しません。
関連する読みもの
記法の変換と表記の補正は、note発のBOOTHで公開しています
この記事で書いた記法変換と表記補正の仕組みは、noteで「TOOL BOX|手作業をツールにする」として書いている個人開発の記録の1つで、実物はBOOTHに置いています。三点リーダーやダッシュの補正だけを試したい人向けに、無料版もあります。