盛り上がる罰ゲームと、やってはいけない罰ゲーム
罰ゲームは、選び方を間違えると場が凍ります。しかも凍った空気は、その日のうちには戻りません。「盛り上がるもの」を探す前に、やってはいけないものを先に外すのが確実です。境界線と、安全に盛り上がる例をまとめました。
誰がやるかを角が立たない形で決める
ルーレットで決める先に外すべき罰ゲーム
次に当てはまるものは、その場の空気に関係なく避けます。笑いが起きたとしても、後から問題になる種類のものです。
- 飲酒を強いるもの:一気飲み、罰としての飲酒。体質によっては命に関わります。参加者に未成年や運転者がいる場合はもちろん、いなくても選択肢に入れません。
- 身体的な痛み・不快感を伴うもの:叩く、辛いものを大量に食べさせる、冷水をかける。加減が効かず、けがにつながります。
- 容姿・体型・年齢・出身をいじるもの:本人が笑っていても、それは笑うしかないからです。
- 個人的な情報を白状させるもの:恋愛、家族、収入。断りにくい場で聞き出すのは、遊びの形をした強制になります。
- 人前で恥をかかせる形のもの:特に上下関係がある場では、断る自由が実質ありません。
- 写真や動画に残すもの:その場で笑えても、残ると別の問題になります。撮る前に本人へ確認します。
安全に盛り上がる罰ゲーム
共通しているのは、やる本人が主導権を持てることです。どうやるかを自分で決められると、やらされている感じがなくなります。
その場で完結するもの
- お題トーク30秒:「最近うれしかったこと」など、当たり障りのないお題で30秒話す。結果的に自己紹介になるので、初対面が多い会と相性がいいです。
- モノマネ・一発芸(自己申告制):「できるものを1つ」と本人に選ばせる形にします。指定すると途端に苦行になります。
- 利き○○:目隠しでお茶やジュースを当てる。失敗しても外しただけなので、誰も傷つきません。
- 写真フォルダの1枚を見せる:「最近撮った風景」など範囲を限定します。範囲を決めないと事故ります。
役割を渡すもの
- 次のゲームの司会:罰が仕事になるパターン。意外と喜ばれます。
- 乾杯の音頭:短くて済み、目立つ場面を渡せます。
- 集合写真のカメラマン:誰かがやる必要のある役なので、実用も兼ねます。
- 次回の幹事補佐:継続する集まりなら、そのまま引き継ぎになります。
誰がやるかの決め方
罰ゲームで揉めるのは中身より選ばれ方です。「なんで自分なんだ」という納得のなさが残ると、その後の空気に響きます。
- 人が指名しない。幹事や上司が指名した時点で、それは罰ゲームではなく指示になります。
- その場で見える形で決める。ルーレットやあみだくじのように、全員が回っているところを見られる形にします。裏で決めた結果を発表すると疑われます。
- 一度当たった人を外す。ルーレットの「当選者を除外する」を使えば、同じ人が続けて当たりません。連続で当たると、本人は責められている気分になります。
- 降りる権利を最初に伝えておく。「無理なものはパスしていい」と先に言っておけば、断ることが特別な行為でなくなります。
同じ人が続けて当たらないようにできます
罰ゲーム決めを使うお題の作り方
既製のリストをそのまま使うより、その集まりに合わせて作ったほうが盛り上がります。作り方には型があります。
- 内輪の共通体験から作る:「今年いちばん大変だった案件を一言で」など。外の人には分からなくてかまいません。
- 選択肢を用意する:「A・B・Cから選んで実行」の形にすると、本人に決定権が残ります。
- 時間を区切る:「30秒だけ」と決めると、やる側の負担が読めます。終わりが見えない罰ゲームがいちばんきついものです。
- 全員がやる可能性のあるものだけ入れる:幹事や上司が絶対にやらない前提のお題は入れません。自分が当たっても平気なものだけを候補にします。
止めどきの見分け方
盛り上がっているように見えて、実は特定の人だけが消耗している場面があります。次のサインが出たら切り上げます。
- 笑っているのが同じ数人だけになっている
- やる側の返事が短くなっている
- 「もう1回」を言っているのが、やらない側だけ
- 周りが本人の顔ではなくスマホを見ている
企画は、盛り上がりの頂点で終わらせるのがいちばんきれいです。ダレてから終わると、その日全体の印象がそこで決まってしまいます。
場面別の選び方
同じ罰ゲームでも、場が変われば意味が変わります。場面ごとに向き不向きを整理します。
社内の飲み会
上下関係があるため、いちばん慎重さが要る場です。役割を渡す形に寄せるのが安全です。司会、乾杯の音頭、写真係など。断ることが難しい構造なので、身体を使うものや個人的な話を引き出すものは選択肢から外します。企画を決める段階で、自分より立場が下の人に当たったらどう見えるかを一度考えてください。
学校・サークル
関係が近い分、内輪ネタが効きます。ただし「その場にいない人をいじる」形になりやすいので注意します。全員が知っている共通体験からお題を作ると、笑いが内側で完結します。
家族・子どもがいる会
恥ずかしさを利用する形式は使いません。子どもは大人が思うより真剣に受け取ります。モノマネや動作系など、できたら褒められる方向のものにすると、罰ゲームがそのまま出し物になります。
初対面が多い会
話すだけのものに限定します。「最近うれしかったこと」のようなお題トークは、罰ゲームの形をした自己紹介として機能します。関係ができていない段階で体を張らせると、その人はその後ずっと警戒します。
罰ゲームを使わずに盛り上げる代案
そもそも罰ゲームを入れなくても、勝敗のある企画は成立します。負けた側に何かを課すのではなく、勝った側に何かを渡す形に変えるだけで、角が立つ余地が消えます。
- 勝者に景品を渡す:ちょっとしたものでかまいません。負けても何も起きないので、誰も身構えません。
- 勝者が次のお題を決める:権利を渡す形です。ゲームが自然に続きます。
- チーム戦にする:個人が特定されないので、負けても刺さりません。班分けで機械的にチームを作ると、実力差の偏りも避けられます。
- 順位だけ発表する:1位から最下位まで出すだけで十分盛り上がります。最下位に何かを課す必要はありません。
企画する側が先に決めておくこと
罰ゲームを入れると決めた時点で、次の4つを決めておきます。当日に考えると必ず判断が甘くなります。
- お題の一覧を先に作ります。その場で思いつきで出すと、盛り上がっている勢いで行き過ぎます。事前に書き出して、冷静な状態で取捨選択します。
- パスの扱いを決めます。パスした人に代わりの何かを課すのか、そのまま次に進むのか。課す場合、それは実質パスではありません。
- 誰が止めるかを決めます。やりすぎたときに「そこまで」と言う役を1人決めておきます。全員が盛り上がっていると、誰も止められません。
- 撮影の可否を決めます。撮る場合は本人に確認します。後から消してほしいと言われたときの対応も決めておきます。
言い出しにくい人がいる前提で組む
「嫌だったら言ってね」と伝えても、実際に言える人は多くありません。言えないことを前提に設計します。
- そもそも嫌がる余地のないお題にする:これが最も確実です。断る必要が生じない内容なら、断れるかどうかを気にしなくて済みます。
- 全員が同じ確率で当たる形にする:企画した側も同じ土俵に立ちます。自分が当たっても平気なお題だけを入れる、という基準はここから来ます。
- 1回で終わらせる:連続で回すと、断るタイミングを失います。
- 終わったあとに一言添える:やってくれた人に対して、笑って終わらせずに一言お礼を言います。これだけで受け取り方が変わります。
よくある質問
お酒が絡む罰ゲームは本当に避けるべきですか?
避けてください。アルコールの分解能力には大きな個人差があり、体調や薬の影響もあります。断りにくい場で飲酒を促すこと自体が問題になります。
本人が「やります」と言っている場合は?
本人の意思なら問題ありません。ただし、その場の空気で言わざるを得なかった可能性は考えてください。事前に「パスしていい」と伝えてあるかどうかで意味が変わります。
同じ人ばかり当たってしまいます。
ルーレットの「当選者を除外する」にチェックを入れると、一度当たった人が候補から消えます。連続で当たる状況を機械的に防げます。
初対面が多い会でも罰ゲームは入れていいですか?
入れるなら、お題トークのような「話すだけ」のものに限定します。関係ができていない段階で身体を使うものを入れると、警戒されて終わります。
子どもが参加する会ではどうしますか?
役割を渡す形が向いています。司会や写真係など、任されて嬉しいものにします。恥ずかしさを利用する形式は避けてください。